冬時、夕暮れ時、散歩時

今頃の季節、わざわざ夕暮れ時に近所の散歩にでることがあるのだが、
これは冬の暮れ時は時間の経過に伴う空の変化が大きいので
ダイナミックに変わる空や景色の中に自分の身を置いて、
お手軽に無常観にひたれるからだ。
 
日中冬晴れの晴天だった空にまばらな雲がまじり
あかね色から濃紺へと変わっていく空。
風向きの変化とともに落ち葉の深い匂いをはらむ空気。
あたりの風景がどんどん色を失っていって、明暗の階調だけで描かれる
モノトーンの眺めに沈んでいくともうそろそろ帰り時だ。
 
帰途、家を目ざす東の空にかすかに赤い火星が見えた。